透湿防水シートの施工、開口部まわりの外部枠や庇の工事の次は、外壁の下地工事です。
主屋は弾性リシン仕上げの為、通気縦胴縁の上に檜のラス板を20mmの隙間を空けて貼っていきます。
サッシ廻りにつける通気胴縁も、厳密に言えば、2ミリ出ているので、その分しゃくっている。
少しでもラス板を真っ直ぐにして、左官屋に綺麗に仕上げてもらうためです。
ラス板の間隔は施工会社や棟梁様々だが、15mmでは必要以上に小さすぎて、1寸(30mm)では大きすぎるので、20mmを標準仕様としています。
完成時には見えなくなる場所ですが、下地のズレは仕上げのクラックへと繋がる為、下地ほど丁寧で確実な仕事が必要です。
このラス板の材種は杉と桧がありますが、安藤工務店では桧を選択し、この家では550枚程ある材を一枚一枚確認して全て木表が外側に来るようにしています。
出隅は割れを防止し、通りを出す為に一枚を縦に通して貼ります。
垂木と母屋の取り合いに出来る、小さな三角形の部分もきちんと下地を入れていきます。
このように、ラス板を貼っていく事で壁倍率が上がり、耐力壁はより強固なものとなります。
離れの外壁は杉板押縁貼りの為、通気横胴縁は真鍮釘打ちの受け材も兼ねています。
この小さな穴が、壁体内の湿気を下から上へと排出する空気の通り道を作り、結露を防いでいます。
A.A